2009/04/26

大学で何を勉強してきましたか?

と聞かれたら、なんて答えるんでしょうか?い就活等で必ずと言ってよいほど聞かれる、いわゆる鉄板といわれるこの質問に苦戦する学生は多いようです。
と他人事では無くて、僕もこんな質問されたらおそらく答えに窮する自分が目に浮かびます。
まぁ何回かここにも書いているように、僕の興味分野は観光学部から遥か飛躍して他に移っているわけですが、それが観光学を説明できないという言い訳にはなりませんよねー。

というか、これは学部で多くの先生が言われていることなんですが、「観光」は学問ではなく現象なんだそうです。そしてその観光という興味深い現象を取り巻く事象を科学するのが、観光学と来たもんだ。
観光=旅行=楽しいだけの勉強と思う人は気を付けて下さいね。確実に入学後そのギャップに苦しみ、学部の友人と行く旅行や豊富な土産話は楽しいけど、勉強つまらん、就活嫌だ、というピーターパンたちは多い気がするので笑

もっとも観光学部と言っても実際は2年次から始まっている演習、いわゆるゼミでより専門的な専攻を決めるパターンが多数を占めいています。僕の場合は文化人類学をやってます。
この文化人類学というやつも、やればやるほど面白いが、また手ごわいやつです。
詳しい文化人類学の説明は難しいし自信もないので省きますが、その文化人類学の基礎を構成する一つの考え方に「文化相対主義」というのがあります。平たく言うと、すべての文化はそれぞれ良いところがあって、優劣はないんだよ、という考え方です。

一見良い概念に聞こえますよね、いや、実際一理も二理もあるんですけど。
ただここにもまた落とし穴が。つまりこの考え方を突き詰めると異文化への寛容と、無関心、無視の境界線がつきにくくなってくるんですよね。
例えば以前にソウルオリンピック開催の際に犬を食べる食文化が欧米の動物愛護団体などから激しいバッシングを受けて、五輪開催中通りから犬が消えるという事態が起こったそうです。
これは文化相対主義に反対する考え方で、まぁ大方韓国の人からするとうるさい干渉、というとらえ方が多かったそうです。日本人も捕鯨を批判されてよく問題になりますよね。
極論ですが、じゃあ文化相対主義だから犬もOKというふうになってくると、次に来るのは、じゃあ食人はOKなのかと。極論というなかれ、そんな文化もあるとしたら、「文化だから」と済ませられるでしょうか?
異文化への寛容と干渉、どちらに転んでも難しい、そんな答えの出ない問いを考えている学問だったりもします笑

最近アカデミックで僕のブログらしくないですねー、また次回!

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