2008/01/03

ケニヤでホロコーストの懸念


http://edition.cnn.com/2008/WORLD/africa/01/02/kenya.rally/index.html?eref=rss_world

最近CNNのニュースで毎日のように大きく報道されるニュースがある。
ケニヤの次期大統領選で、僅差で勝利したと伝えられている現職のキバキ大統領の再選に対し、野党のオディンガ候補が「不正があった」と異議を唱えたことから、オディンガ候補の支持者を中心にデモなどで多数の死傷者が出ているようである。

このニュースは大分前から知っていたが、日本にいる自分たちにとって、アフリカという地域のニュースは、海外でも特に現実離れしているような感覚で受け取る傾向があり、これまで取り上げなかった。

しかし、自分が書くことにしたきっかけは、この混乱を避け教会に避難していた民間人少なくとも50人が、暴徒化したオディンガ氏の支持者たちによって教会ごと放火され、死亡したというニュースであった。
50人には、女性や子供も含まれていた。
一連の混乱には様々な要因が複雑に絡んでいることだけは確実だが、CNNによると
Much of the violence is between supporters of Kibaki, from the majority Kikuyu tribe, and backers of Odinga, who is from the Luo tribe.
やはりここにも私たち日本人には想像しにくい民族の問題が絡んでいるようだ。
多数派の部族、キクユ族の支持基盤に持ち、自信もその生まれであるキバキ氏に対して、やはりルオ族の生まれで、ルオ族を中心に支持を得るオディンガ氏。
今回の教会の事件では、このルオ族の支持者の一部が犯行に及んだようである。
アフリカで、民族問題による事件というとやはり1994年に起こったルワンダでのジェノサイドを思い出さずにはいられない。
ケニヤの件はルワンダでのジェノサイドのときほど、部族間の人数において大きな差があるとは言えない点で異なるが、アフリカ諸国でも例外的に治安、経済的に安定してきているというイメージの強かったケニヤでのこの混乱は、アフリカの未来が依然不透明なことを再認識させられる。

そもそも~族といった概念は、日本人が単一民族である、無いという議論とは別にして、今を生きる私たち日本人には実感を持って感じることは難しい。
パスポートに「大和民族」「琉球民族」と書かれる姿など、想像も出来ない。
しかし現にルワンダでの民族紛争ではそういった理由をもとに、生死が左右されたのであり、今回のケニヤでも問題の一つの中核をなしていると自分では思っている。
この複雑な問題についての意見を書くには、まだ知識が足りないようなので割愛するが、環境問題、貧困問題等と違い、自分にとって解決の糸口がより見つけやすいと感じられるのは、自分が実感を持てていない何よりの証拠なのだろうか

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