2008/10/26

サンクションとは

少し中国から離れて最近ファンになった辺見庸さんが書かれている文章を記憶の限り

”サンクション(経済制裁)という言葉について、一般的に大きな誤解がある。それはサンクションを受けた国家のトップが、必ずやいつかそれまでの所業を悔い改め、サンクションを行った国に服従してくるだろうというものです。この楽観的、かつ傲慢な思い込みは、サンクションを受けた国家(ベトナム)に長い間滞在していた身からすると、ひどく滑稽に映ります。一般にサンクションを受けた国の民衆は、疲弊し、虐げられる一方で、国家の元首は豪邸に住まい、パーティを開き、何不自由ない生活を民衆からの搾取により続けます。ニュースはより飢えに苦しむ民衆の国の元首ほど、腹が突き出ているのを証明しています。つまりは、サンクションというものは、責任を本来負うべき元首にではなく、直接的に民衆を直撃するのです。結果としてサンクションを受けた国の民衆の心に残るのは、サンクションを発動した国に対する嫌悪と、憎悪の気持なのです”

図書館に返却してしまったので、記憶の限りだけれども思い出す限りをかいてみた。
うーんこのことについては自分も「一般」の部類に入るような誤解を一部持っていた。
確かに金正日だったりムガベ首相はずいぶんいい腹を持っている。

援助物資が直接民衆に渡らないという話はよく聴くことだけれど、考えてみれば同様に外部からの制裁をコントロールして民衆にのみ当てることも可能なわけだ。

最近思うことは、こんなこと知ったからっていつなんの役に立つのか分からないけど、超実践的な経営学とかよりこっちの方が眠くならずに読めるんだ

2008/10/08

挨拶が表わす国民性

実は土曜日に帰国していますが、記憶の続く限りもう少し中国関連のことを書きます。

北京の街で顔見知りに朝、もしくは昼時に会うと「ニーハオ」の次に良く耳にする言葉が、「チーラーマ?」です。 中国語初心者の自分でもこのあいさつは聞けばすぐに理解できました。ただ何事もそうですが背景を知るともっと引き込まれます。「チー=食べる、ラー=動作が完了したこと、マ=語尾に付けることで疑問を表わす」合わせて「チーラーマ?食事はしましたかorご飯食べましたか?」
ここで、「はい、食べました」というと、大体その食事で何を食べたか、おいしかったかなどの会話に移ります。「いいえ、まだ食べてません」というと、仲が良ければ食事に誘われたり、おすそわけなどをしてもらえたりすこともありますが、英語のHow are youと近いニュアンスであまりその疑問自体に深い意味は無いような印象を受けました。
この挨拶、元々は1978年の改革開放政策以前の、中国市民が満足に食事をとることが出来ない時代の名残だそうです。つまり定期的に三食食べることのできる人口が当時は少なかったがために、この一見自分の目には当たり前or意味が無いことのように思えた質問が成立するわけです。

それではわれらが日本はどうでしょう。「すいません」もよく日本人を典型的に表す言葉に登場しますが、大学生の自分としては普段自分の生活でしょっちゅう耳にする言葉、「おつかれ」を例にしてみます。すれ違いざまに友人に「おつかれー」別れの挨拶にも「おつかれー」。 日本人はそんなに疲れるのが好きなのでしょうか。
そんなはずは無いと思いますが、頻繁に登場することは確かです。
この言葉の使い方は人それぞれだと思いますが、自分にとっては2限(10時40分開始)に大学に来て1時間半の授業を2つ3つ出席した程度で「お疲れ」は、そりゃないだろと感じます。ましてや決して人のことは言えませんが、寝ない学生がどれだけいることか。
それでも相手の日々の苦労をねぎらう「お疲れ」は頻出ですし、実際僕も使わない日の方が珍しいです」

ところ変わって自分の住んでいたい米国西海岸では、皆さんご存じの「How are you? →I'm fine. Thank you」です。そんなにアメリカ人は相手の機嫌を知りたいのでしょうか。
これもそんなはずはないでしょうが、決して彼らのライフスタイルと無関係ではないように思います


「そうだったのか」と思った瞬間の何とも言えない気持ちは、みんなに知ってほしいと思います。
僕はこれを一人で新聞を部屋で読みながら「へー」といいました